Classici giapponesi con furigana
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ちえこのはんしょう
智恵子の半生
高村 光太郎
Leggi 智恵子の半生 (ちえこのはんしょう) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.697 caratteri · 25 schermate
又彼女にも警告した。それは私の今後の生活の苦闘を思うと彼女をその中に巻きこむに忍びない気がしたからである。其の頃せまい美術家仲間や女人達の間で二人に関する悪質のゴシップが飛ばされ、二人とも家族などに対して随分困らせられた。然し彼女は私を信じ切り、私は彼女をむしろ崇拝した。悪声が四辺に満ちるほど、私達はますます強く結ばれた。私は自分の中にある不純の分子や溷濁の残留物を知っているので時々自信を失いかけると、彼女はいつでも私の中にあるものを清らかな光に照らして見せてくれた。
汚れ果てたる我がかずかずの姿の中に
をさな児のまこともて
君はたふとき吾がわれをこそ見出でつれ
君の見出でつるものをわれは知らず
ただ我は君をこよなき審判官とすれば
君によりてこころよろこび
わが知らぬわれの
わが温き肉のうちに籠れるを信ずるなり
と私も歌ったのである。私を破れかぶれの廃頽気分から遂に引上げ救い出してくれたのは彼女の純一な愛であった。
大正二年八月九月の二箇月間私は信州上高地の清水屋に滞在して、その秋神田ヴイナス倶楽部で岸田劉生君や木村荘八君等と共に開いた生活社の展覧会の油絵を数十枚画いた。