Classici giapponesi con furigana
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しょについて
書について
高村 光太郎
Leggi 書について (しょについて) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2532 caratteri · 5 schermate
この頃は書道がひどく流行して来て、世の中に悪筆が横行している。なまじっか習った能筆風な無性格の書や、擬態の書や、逆にわざわざ稚拙をたくんだ、ずるいとぼけた書などが随分目につく。
一
絶えて久しい知人からなつかしい手紙をもらったところが、以前知っていたその人の字とは思えないほど古法帖めいた書体に改まっている、うまいけれどもつまらない手紙の字なのに驚くような事も時々ある。しかしこれはその人としての過程の時期であって、やがてはその習字臭を超脱した自己の字にまで抜け出る事だろうと考えてみずから慰めるのが常である。やはり書は習うに越した事はなく、もともと書というものが人工に起原を発し、伝統の重畳性にその美の大半をかけているものなので、生れたままの自然発生的の書にはどうしても深さが無く、その存在が脆弱で、甚だ味気ないものである。
二
この生れたままの自然発生的な書というものにもいろいろあって、生れながらに筆硯的感覚を多分に持っている人のは、或る点まで立派に書格を保有し、無邪気で、自然で、いい加減な習字先生のよりも遥に優れたものとなる。そういう例は支那人よりも日本人に多く、いつの間にか、性格まる出しの、まねてまねられない、或は奇逸の、或は平明清澄の妙境に進み入り、殊に老年にでもなると、おのずから一種の気品が