Classici giapponesi con furigana
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つきとあざらし
月とあざらし
小川 未明
Leggi 月とあざらし (つきとあざらし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3817 caratteri · 8 schermate
」と、あざらしは、目に涙をためていいました。
風は、行く先を急ぎながらも、顧みて、
「しかし、あざらしさん、秋ごろ、猟船が、このあたりまで見えましたから、そのとき、人間に捕られたなら、もはや帰りっこはありませんよ。もし、こんど、私がよく探してきて見つからなかったら、あきらめなさい。」と、風はいい残して、馳けてゆきました。
その後で、あざらしは、悲しそうな声をたててないたのです。
あざらしは、毎日、風の便りを待っていました。しかし、一度、約束をしていった風は、いくら待ってももどってはこなかったのでした。
「あの風は、どうしたろう……。」
あざらしは、こんどその風のことも気にかけずにはいられませんでした。後からも、後からも、頻りなしに、風は吹いていました。けれど同じ風が、ふたたび自分を吹くのをあざらしは見ませんでした。
「もし、もし、あなたは、これから、どちらへおゆきになるのですか……。」と、あざらしは、このとき、自分の前を過ぎる風に向かって問いかけたのです。
「さあ、どこということはできません。仲間が先へゆく後を私たちは、ついてゆくばかりなのですから……。