Classici giapponesi con furigana
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つきとあざらし
月とあざらし
小川 未明
Leggi 月とあざらし (つきとあざらし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3817 caratteri · 8 schermate
そして、そのうちに、花の香りに酔い、やわらかな風に吹かれて、うとうとと眠ってしまったものもありました。
このとき、月は、小さな太鼓が、草原の上に投げ出してあるのを見て、これを、哀れなあざらしに持っていってやろうと思ったのです。
月が、手を伸ばして太鼓を拾ったのを、だれも気づきませんでした。その夜、月は、太鼓をしょって、北の方へ旅をしました。
北の方の海は、依然として銀色に凍って、寒い風が吹いていました。そして、あざらしは、氷山の上に、うずくまっていました。
「さあ、約束のものを持ってきた。」といって、月は、太鼓をあざらしに渡してやりました。
あざらしは、その太鼓が気にいったとみえます。月が、しばらく日をたって後に、このあたりの海上を照らしたときは、氷が解けはじめて、あざらしの鳴らしている太鼓の音が、波の間からきこえました。
――一九二五・三作――