Classici giapponesi con furigana
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つきとてぶくろ
月と手袋
江戸川 乱歩
Leggi 月と手袋 (つきとてぶくろ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.541 caratteri · 80 schermate
それは直ちに事件の際に使用した股野のレーンコートのベルトを連想させた。
あけみが克彦の方へ倒れかかって来た。びっくりして顔を見たが、気を失ったのではない。心の緊張のために、からだの力がぬけてしまったのであろう。克彦はその手先をグッと握って、彼女が平静でいてくれることを神に祈った。そして、彼自身は酔いにまぎらせて、目をつむっていた。見ていれば表情が変るにちがいない。ここで変な表情を見せてはならないのだ。
(ああ、いけない。あけみ、お前はどうして、そんなに目を見ひらいているのだ。心の中を見すかされてしまうじゃないか。いい子だから、こちらをお向き)
彼は花田にさとられぬように、肩を動かして、ソッとあけみの顔を自分の方に向けさせた。
「サテ、みなさま、これなるベルトで、やつがれの手首を括らせてごらんにいれまあす。……さア、きよちゃん、構わないから、ここを思いきり縛っておくれ。そうそう、三つばかり巻きつけるんだ。そして、はじとはじとを、こまむすびにするんだ」
きよはクスクス笑いながら花田が揃えて前に突き出している手首を、ベルトでしばった。
「ごらんの通り、これなる美人が、やつがれの両手を力まかせにしばってくれました。