Classici giapponesi con furigana
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つきとてぶくろ
月と手袋
江戸川 乱歩
Leggi 月と手袋 (つきとてぶくろ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.541 caratteri · 80 schermate
「楽になるとは、どういう意味だ」
「つまり、告白をしてしまうんですよ。あなた即ち北村克彦が股野重郎を扼殺した犯人で、そのにせアリバイを作るために、元の股野夫人あけみさんが、股野さんの替玉になって、窓から顔を見せ、助けを呼ぶというお芝居をやったことをね」
花田はいやに丁寧な云い方をした。
「ばかな、そんなことは君たちの空想にすぎない。僕は白状なんかしないよ」
「ハハハ、なにを云ってるんです。たった今、君とあけみさんとで、白状したばかりじゃありませんか。あれだけ喋べったら、もう取り返しがつきませんよ」
「証拠は? 君が立ち聞きしたというのかい。そんなこと証拠にならないよ。君は嘘をいうかも知れないのだからねえ。僕があくまで否定したら、どうするんだ」
「否定はできそうもありませんねえ」
「なんだって?」
「ちょっと、そこをごらんなさい。ベッドの枕の方の壁ですよ。電燈がとりつけてある腕金の根もとですよ」
克彦もあけみも、花田のおちつきはらった語調に、ゾーッとふるえ上がって、そこへ目をやった。電燈の光にさえぎられて、腕金の根もとなど、少しも気がつかなかったが、見ると、そこに妙なものが出っぱっていた。