Classici giapponesi con furigana
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きのこせっぽう
木の子説法
泉 鏡花
Leggi 木の子説法 (きのこせっぽう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.107 caratteri · 34 schermate
――とあの辺から両側には仕済した店の深い問屋が続きますね。その中に――今思うと船宿でしょう。天井に網を揃えて掛けてあるのが見えました。故郷の市場の雑貨店で、これを扱うものがあって、私の祖父――地方の狂言師が食うにこまって、手内職にすいた出来上がりのこの網を、使で持って行ったのを思い出して――もう国に帰ろうか――また涙が出る。とその涙が甘いのです。餅か、団子か、お雪さんが待っていよう。
(一銭五厘です。端書代が立替えになっておりますが。)
(つい、あの、持って来ません。)
(些細な事ですが、店のきまりはきまりですからな。)
年の少い手代は、そっぽうを向く。小僧は、げらげらと笑っている。
(貸して下さい。)
(お貸し申さないとは申しませんが。)
(このしるしを置いて行きます。貸して下さい。)
私は汗じみた手拭を、懐中から――空腹をしめていたかどうかはお察し下さい――懐中から出すと、手代が一代の逸話として、よい経験を得たように、しかし、汚らしそうに、撮んで拡げました。
(よう!)と反りかえった掛声をして、
(みどり屋、ゆき。――荷は千葉と。――ああ、万翠楼だ。……医師と遁げた、この別嬪さんの使ですかい、きみは。