Classici giapponesi con furigana
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きのこせっぽう
木の子説法
泉 鏡花
Leggi 木の子説法 (きのこせっぽう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.107 caratteri · 34 schermate
……いや、高砂の浦の想われるのに対しては、むしろ、むくむくとした松露であろう。
その景色の上を、追込まれの坊主が、鰭のごとく、キチキチと法衣の袖を煽って、
「――こちゃただ飛魚といたそう――」
「――まだそのつれを言うか――」
「――飛魚しょう、飛魚しょう――」
と揚幕へ宙を飛んだ――さらりと落す、幕の隙に、古畳と破障子が顕われて、消えた。……思え、講釈だと、水戸黄門が竜神の白頭、床几にかかり、奸賊紋太夫を抜打に切って棄てる場所に……伏屋の建具の見えたのは、どうやら寂びた貸席か、出来合の倶楽部などを仮に使った興行らしい。
見た処、大広間、六七十畳、舞台を二十畳ばかりとして、見物は一杯とまではない、が賑であった。
この暑さに、五つ紋の羽織も脱がない、行儀の正しいのもあれば、浴衣で腕まくりをしたのも居る。――裾模様の貴婦人、ドレスの令嬢も見えたが、近所居まわりの長屋連らしいのも少くない。印半纏さえも入れごみで、席に劃はなかったのである。
で、階子の欄干際を縫って、案内した世話方が、
「あすこが透いております。……どうぞ。」
と云った。脇正面、橋がかりの松の前に、肩膝を透いて、毛氈の緋が流れる。