Classici giapponesi con furigana
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きのしたもくたろう『からくさひょうし』じょ
木下杢太郎『唐草表紙』序
Leggi 木下杢太郎『唐草表紙』序 (きのしたもくたろう『からくさひょうし』じょ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3476 caratteri · 7 schermate
私の心は次第々々に其中に引き込まれて、遂に「珊瑚樹の根付」迄行って全くあなたの為に擒にされて仕舞ったのです。だから幼時の記憶として其儘を叙述していない「夷講の夜の事であった」に至って却って失望しようとしたのです。
私は此種の筆致を解剖して第二番目に遠くに聞こえる物売の声だの、ハーモニカの節だの、按摩の笛の音だのを挙げたいと思います。凡て声は聴いているうちにすぐ消えるのが常です。だから其所には現在がすぐ過去に変化する無常の観念が潜んでいます。そうして其過去が過去となりつつも、猶意識の端に幽霊のような朧気な姿となって佇立んでいて、現在と結び付いているのです。声が一種切り捨てられない夢幻的な情調を構成するのは是が為ではないでしょうか。新内とか端唄とか歌沢とか浄瑠璃とか、凡てあなたのよく道具に使われる音楽が、其上に専門的な趣をもって、読者の心を軽く且つ哀れに動かすのは勿論の事ですから申し上げる必要もないでしょう。然しあまり自分の好尚に溺れて遣り過ぎた痕迹を残したのもないとは云われません。第一編の「硝子問屋」の中にはその筆があまり濃く出過ぎてはいますまいか。