Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほんじょりょうごく

本所両国

芥川 竜之介

Leggi 本所両国 (ほんじょりょうごく) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.005 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

」

僕「今でも常盤湯という銭湯はありますよ。」

伯母「常盤湯といったかしら。」

妻「あたしのいた辺も変ったでしょうね?」

僕「変らないのは石河岸だけだよ。」

妻「あすこにあった、大きい柳は?」

僕「柳などは勿論焼けてしまったさ。」

母「お前のまだ小さかった頃には電車も通っていなかったんだからね。」

僕「『榛の木馬場』あたりはかたなしですね。」

父「あすこには葛飾北斎が住んでいたことがある。」

僕「『割下水』もやっぱり変ってしまいましたよ。」

母「あすこには悪御家人が沢山いてね。」

僕「僕の覚えている時分でも何かそんな気のする所でしたね。」

妻「お鶴さんの家はどうなったでしょう?」

僕「お鶴さん? ああ、あの藍問屋の娘さんか。」

妻「ええ、兄さんの好きだった人。」

僕「あの家はどうだったかな。兄さんのためにも見て来るんだったっけ。尤も前に通ったんだけれども。」

伯母「あたしは地震の年以来一度も行ったことはないんだから――行っても驚くだろうけれども。」

僕「それは驚くだけですよ。伯母さんには見当もつかないかも知れない。」

父「何しろ変りも変ったからね。そら、昔は夕がたになると、みんな門を細目にあけて往来を見ていたもんだろう?」