Classici giapponesi con furigana
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かきのたね
柿の種
寺田 寅彦
Leggi 柿の種 (かきのたね) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.202 caratteri · 139 schermate
この声は、何を私に物語っているのか、考えてもそれは永久にわかりそうもない。
しかし、この声は私を不幸にする。
もし、幾日も続けてこの声を聞いていたら、私はおしまいには気が狂ってしまって、自分で自分の両耳をえぐり取ってしまいたくなるかもしれない。
しあわせなことには、わずらわしい生活の日課が、この悲運から私を救い出してくれる。
同じようなことが私の「心の中の声」についても言われるようである。(昭和四年九月、渋柿)
*
大震災の二日目に、火災がこの界隈までも及んで来る恐れがあるというので、ともかくも立ち退きの準備をしようとした。
その時に、二匹の飼い猫を、だれがいかにして連れて行くかが問題となった。
このごろ、ウェルズの「空中戦争」を読んだら、陸地と縁の切れたナイアガラのゴートアイランドに、ただ一人生き残った男が、敵軍の飛行機の破損したのを繕って、それで島を遁げ出す、その時に、島に迷って饑えていた一匹の猫を哀れがっていっしょに連れて行く記事がある。
その後に、また同じ著者の「放たれた世界」を読んでいると、「原子爆弾」と称する恐るべき利器によって、オランダの海をささえる堤防が破壊され、国じゅう一面が海になる、その時、幸運にも一艘の船に乗り込んで命を助かる男がいて、それがやはり居合わせた一匹の迷い