Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうしじまのもうふ
格子縞の毛布
宮本 百合子
Leggi 格子縞の毛布 (こうしじまのもうふ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2755 caratteri · 6 schermate
貯金もあるそうだよ、それに勲章まで持ってるんだって」
屑屋の叔母は、自分の娘のようにいほの世話をした。いほは、南洋の大羊歯(しだ)のような飾ピンをさして、勲章持ちの従卒だという男のところへ嫁入りした。
正月に、友達と写す筈だった写真を、夫婦で撮る時、いほは夫に云った。
「お前さん、勲章何故下げないの? 似合うわよ、その装(なり)に」
夫は、変な顔をしていほを見たが、急に威勢よく帽子をぐいとかぶり答えた。
「ちょいとその――今ここにゃあないのさ!」
いほの夫になった男は、脊の低い、元気な、ひどく長い間駈けることの出来る男であった。まったく、よく駈けられる。いほは、従卒というものが、こう駈けつづけられる者だとはその時まで知らなかった。彼は、栗毛の、西洋名のついた馬に騎(の)って小刻みな※(あがき)で出かける主人について、靴のまま、いほが見当も知らない遠方の役所まですたすた駈けて行くのだ。而も毎日。――
そして、素晴しい力持ちでもあった。彼が、小さないほを両腕でぎゅうっと自分の胸に擁(だ)きしめると、いほは潰れそうにクウと喉を鳴らしながら、ちぢれた頭を打ち振って嬉々(きき)と笑った。