Classici giapponesi con furigana
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くわのきものがたり
桑の木物語
山本 周五郎
Leggi 桑の木物語 (くわのきものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.815 caratteri · 79 schermate
相変らず色白のおとこまえだが、少し肥えて態度もずっと穏やかになっていた。――新泉と二人でいちど遊びに来いと云われ、二人で訪ねて昼餉を馳走されたが、こっちへ来るとすぐ結婚されたそうで、やさしそうな妻女と小さな男の子がいた。
「うん、よし、いいだろう、だいたい思ったとおりだ」
二人のようすを見て、花田欣弥は微笑しながらそう云った。新泉はそ知らぬ顔をしていたが、悠二郎はてれくさくなって頸を撫でたりそら咳をしたりした。おまえと新泉の二人に望みをかけている。と、いつか花田先生は云ったが、今の言葉はそれにつながるものに相違ない。とすればとんでもないはなしで、それどころではございませんと逃げだしたいくらいだった。
一年の在国ちゅう、正篤の性格に一種の変化が起こった。
あとで思い当ったことだが、帰国するとすぐ菩提所の大竜寺へ展墓をし、それから間をおいてしばしば寺を訪ねた。その前後から気分にむらがではじめ、陽気に笑う日があるかと思うと、ひどく憂鬱に黙りこむ日が続く。するとまた急に元気になって、鷹巣山へ遠乗りをしようと云いだしたりした。――沈んだようすのときは顔つきまで暗く、蒼ざめて、眉をしかめて、なにか痛みを堪えてでもいるような、苦しげな表情になった。