Classici giapponesi con furigana
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うめにうぐいす
梅にうぐいす
北大路 魯山人
Leggi 梅にうぐいす (うめにうぐいす) di 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2527 caratteri · 5 schermate
歌人はつつましく、ハンカチをひねくりまわしつつ、ちらりとわたしを見ていう。
「うぐいすの歌でございますか」
「さよう、あのホーホケと啼くうぐいすのことですよ」
歌人はつつましく笑う。
なにがおかしいのかわたしにはわからぬが歌人は笑う。大ていの女のひとというものは、おかしくなくとも、なにかいわねばならぬ時には笑うものだと思っているから、別にわたしが笑われたと思っていないが、この歌人も女の例にもれずホホと笑った。まさかうぐいすの真似ではあるまい。
「あの、うぐいすの歌を作ると申しましても、それはいろいろございますわ、ホホ」
ここでまた歌人は笑う。女のひとはいくつですかと聞かれると、大ていホホホと笑う。いいお天気ですね、といってもホホホと笑う。そんなに楽しいかというとそうではない。楽しくなくとも笑うものらしい。
わたしはそこで、
「料理だって、まぐろの刺身と、なんとを取り合わせるといっても、やはりいろいろあるとお返事するより仕方がないでしょう」
「ホホホ」
ここでもまた歌人は笑う。ホホホといったのだからケキョと啼くかと思えるばかりのあでやかな声である。
あまり長居されても困るので、こっちから話し出さねばならぬ。