Classici giapponesi con furigana
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うめづしえんおうでん
梅津只円翁伝
杉山 萠円
Leggi 梅津只円翁伝 (うめづしえんおうでん) di 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.582 caratteri · 130 schermate
ハッハッハッ」
◇
只圓翁は前記の通り稽古の上で素人と玄人の区別をしなかった。大勢の弟子を取っている人でも、自分一人の楽みにしている人間でも老若を問わず一列一体の厳格さでタタキ付けた。生半な喜多流を残すよりはタタキ潰した方が天意に叶うと思っていたらしい精進ぶりであった。
そのために翁の歿後、翁の遺風を継ぎ、翁の衣鉢を伝えるに足る中心人物が、今の福岡には一人も居ない。
これは筆者の俗情には相違ないが、只圓翁が今少しく理想を低くして俗情になずみ、その指導振りをモット素人向きに、わかり易く門下の芸能と調和させていてくれたならば、こんな事にはならなかったであろう……なぞと時折り思う事がある。筆者も翁の門下から途中で逃げ出した一人だから斯様な事をいう資格はないが。
しかし又、一方から考えると只圓翁のような大達人は歴史上の英雄と同様、百年に一人出るか出ないかわからないのが通例である。況んや福岡のような僻地に於てをやである。それだからといって言句を絶し、情理を超越した真の能楽の精神を強いて言句、情理の末に残そうとするのは、後に非常な弊害を残すことになる。