Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

せいかけんざっき

棲霞軒雑記

上村 松園

Leggi 棲霞軒雑記 (せいかけんざっき) di 上村 松園 (うえむらしょうえん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7211 caratteri · 15 schermate

Aozora Bunko

「へえ……これにいろはを……?」

私と母は呆れたような顔をした。すると米粒の男は、

「ただの目では、もちろん判りませんが、この虫眼鏡で覗くとわかるのです」

そう言って、ふところから、大きな虫眼鏡をとり出した。

私と母は、その虫眼鏡で、くだんの米粒を拡大した。

なるほど、米粒の男の言うとおり、全くのほそい文字で、いろはが書かれてあった。

「大したものどすな」

「どないして書かはったのどす」

私と母とは、交※(二の字点、1-2-22)に感心の首をふって訊ねた。

「私の父は、一丁先にある豆粒が見えるほど目が達者なのです。それで目の前の米粒は西瓜ぐらいに見えるのだそうで、これにいろは四十八文字をかきこむくらい朝めし前です」

「たいしたものどすな」

「そんな目ってあるもんどすかな」

そこで私と母は、もう一度感心したものである。

すると米粒の男は、次に白豆を一つとり出した。

「これには七福神が彫りこまれてありますよ」

そこで私たちは、また虫眼鏡でのぞいた。なるほど、弁財天も大黒様も福禄寿も……それぞれの持ちものをもって、ちゃんと笑うものは笑い、謹厳な顔の神はむつかしい顔をして、七つの神はきちんと彫りこまれてあるのであった。