Classici giapponesi con furigana
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しいのき
椎の木
豊島 与志雄
Leggi 椎の木 (しいのき) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6002 caratteri · 13 schermate
猫はそれをかぎはじめました。
――おかしなことだ。さっきは鼠のにおいがしていたし、こんどは小鳥のにおいがしている。こんなところに小鳥のにおいがするとは、どうもへんだぞ。
猫はかぎまわって、がけの方まで行き、遠く見わたしました。日の光と人家ばかりで、なんの変ったものもありませんでした。一郎は猫のあとを見やりながら、二郎に言っていました。
「凧にだるまの絵なんかかいてもらうからいけないんだよ。僕が張りかえてやるから、こんどは竜の絵をかいてもらえよ。」
「だって、竜の絵は、黒い雲ばかりで、まっ黒だよ。つまんないや。」
「赤いんだってあるさ。真赤な雲の中に、真赤な竜がおどってるのは、すてきだよ。」
「そんなの、太田先生がかいて下さるかしら。」
「僕がたのんでやるよ。」
「でも、このひげだるまも、とてもよかったよ。」
「そんなにすきなら、ちゃんとした紙にかいてもらおう。僕がたのんでやるよ。」
「うん。」
二郎は泣きそうな顔をやめて、にっこり笑いました。
「だが、おかしいなあ。木の上の凧を、椋鳥が取ってくれるなんて……。」
一郎はつぶやきながら、猫を呼びました。
「ミミー、ミミー……。