Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つばきのはなのあか

椿の花の赤

豊島 与志雄

Leggi 椿の花の赤 (つばきのはなのあか) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.755 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

と叫んで、駆け戻って来た。それを三晩も繰返したというのである。そのためかどうだか分らないが、灯火は早くから消されるか、或は雨戸が閉められるかして、とにかく、夜通し明るい室は見えなくなった。そのことを自慢にして、正枝をわざわざ別所の室に引ぱって来て、闇に没してる屋根並を眺めさせながら、あの辺だったと説明してみせた。

この話、如何にも李がやりそうなことだと微笑まれるのだったが、然し、私の頭には別な事柄が残った。どこかの室に、夜通し灯火がついていたり、夜通し人影一つささないというのは、何かのことでもあり得るものであるが、その「夜通し」ということを、誰が一体見極めたのか、別所が見極めたとすれば、別所は夜通し起きていたということになる。或は、一夜は一時頃に、一夜は二時頃にという風に、数夜を費しての結論であるとするも、そんなばかげたことをしたとすれば猶更おかしい。いずれにせよ、別所はその頃よく眠らなかったものらしく、実は何を悩んでいたのであろうか。

それはとにかく、事件の前夜、私は別所と妙な逢い方をした。

その夜、私は久しぶりに数名の友人と飲み且つ談じ且つ飲んで、相当に酔っていた。