Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくらく

極楽

菊池 寛

Leggi 極楽 (ごくらく) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6532 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

老の足の続くかぎり一散に歩き続けた。一歩は一歩ずつ、闇が薄れた。闇の中に、乳白色の光が溢れるように遍照するのを感じた。初は不透明であった光が、だん/\透明になって行くと、それが止め度もなく、明るくなって行って、日輪月輪の光を搗き交ぜたよりも、もっと強い光の中におかんは、ふら/\と立って居る自分を見出したのである。眼がくら/\して、最初は物の相が、ハッキリと見えなかった。が、漸く眼を定めて見渡すと自分の立って居る足下には、燦爛と輝く金砂と銀砂が、鴨川石か何かのように惜しげもなく撒き散らされて居るのを見た。頭上を見上げると、澄み渡った大空の金のさゝべりをとった紫雲が、靉靆と棚引き渡って居た。おかんは、到頭お浄土へ来たのだと思うと、胸の底から嬉しさがこみ上げて来た。

気が付くと自分の立って居る所から、一町ばかり向うに、お西様の勅使門を十倍にもしたような大きさの御門が立って居た。おかんは、その門が屹度極楽の入口だと思ったので、急いで門の方へ行って見た。門の方へ行って見ると、門の扉は八文字に開かれて居た。おかんはオズ/\とその大きく開かれた御門の中に入った。