Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate
周防は船岡に宿をとり、原田甲斐の館へ使いをやった。館からは家老の片倉隼人が来て、甲斐が十一月から山にこもっていること、すぐ知らせにやるから、館へ来て泊ってくれるように、と云った。
周防は従者を二人だけ伴れ、あとの者は宿に残して館へいった。山の小屋へやった使いは、昏れがたに戻って来て、甲斐は鹿を狩りに出て、どこにいるかわからない、と告げた。
昨日の朝でかけたまま、山のどこかで鹿を追っているらしい、ときによると三日くらい小屋へ帰らないこともあるし、どの山にいるのかわからないので、捜すこともできない、ということであった。
周防はちょっと思案し「では小屋へいって待とう」と云った。しかしもう日が昏れるので、その夜は館に泊り、明くる朝早く、隼人の案内で山へ登った。
館から馬で約三十町ゆくと、甚次郎の山ふところに、日観寺という寺がある、そこへ馬を預けて、はだら雪のがちがちに凍った、急な坂道を登っていった。山といってもさして高くはない、古い杉や樅が片側の谷に森をなしていて、片側はなだらかな雑木林が続いている。坂道はその枯れた雑木林をぬけてゆき、登りつめたところで、左へ少し下りになる。