Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
ということを真面目に考えて嫁いで来たとすれば、――まことに変なめぐり合わせだと感じられたにちがいない。だが、次郎にとってそれが重大な運命であったほどに、彼女にとっても重大な運命であったかは疑問である。というのは、そのことによって、自然二人の愛情が、どちらからか薄らいでゆく場合があるとして、それが次郎の方からであった場合にお芳の受ける打撃は、その反対の場合に次郎のうける打撃にくらべて、はるかに軽くてすんだであろうからだ。彼女には、次郎のほかに恭一や俊三がいた。彼女が三人のうちで最初に親しんだのが次郎であったとしても、もともと「次郎のために」ということが、周囲の人々の作為的な希望であって、彼女自身の自然な心の動きから出発したものでなかったとすれば、彼女が、次郎に対して感じた以上の親しみを、恭一か俊三に対して感じないとは限らなかったのである。しかも、彼女が、その気楽な性分から、周囲の人たちのそうした期待をそう重く見さえしなければ、彼女は、次郎の代りに恭一や俊三を愛することによって、姑との間の感情を滑らかにし、彼女自身の生活を一層気楽なものにさえすることが出来たのである。