Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
「だって、恭ちゃんはお祖母さん、次郎ちゃんは父さん、僕は母さんときまっているじゃないか。」
「誰がそんなこと決めたんだ。」
「お祖母さんが、いつもそう言ってらあ。」
この対話が、次郎だけでなく、みんなの心を刺戟したのはいうまでもなかった。一瞬、鍋の煮立つ音が、いやに誰の耳にもついた。
次郎は、しかし、同時に気持のうえで妙な矛盾に陥っていた。というのは、もし、家族六人を二人ずつ組み合せるとすれば、俊三の言った組合わせこそ、次郎にとっては、最も好もしい組合わせだったからである。
(母さんなんか、どうでもいいや。)
彼は、そんなふうにも、ちょっと考えてみた。しかし、そう考えると、やはりまた気持が落ちつかなかった。
「父さん!」
と、その時、沈默を破って、だしぬけに恭一が言った。
「僕、そんなふうに二人ずつ組み合わせるのは、非常にいけないと思うんです、父さんは、それをいいと思うんですか。」
「そうさね。」
と俊亮は、わざとお祖母さんの方を見ないようにして、ちょっと考えていたが、
「まあ、しかし、そんなことはどうでもいいだろう。」
「どうでもよくないんです。」
恭一はがらりと箸を投げすてて、泣くような声で叫んだ。