Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
そして、いつとはなしに、権田原先生に対すると同じような気持で、彼に対するようになって来たのだった。
「やっぱりお前は平凡な先生じゃ。」
「いや、今度は何と言われても、私の失敗でした。」
運平老と徹太郎とが、そう言って笑ったのは、それから間もなくのことだったのである。
学校での次郎の様子には、表面取り立てて言うほどの変化はなかった。どちらかというと、正木の家でと伺じように、いくぶん「大人になった」と先生たちの眼には映っていたらしい。中学校に失敗した連中のなかでも、彼の成績はずばぬけてよく、自然、級長もやらされていたが、彼はやるだけのことはきちんきちんとやってのけた。また、仲間に対する威力も相当で、彼が口をきくと、たいていのことは治まる、といったふうであった。こうしたことは、以前からもそうであったが、日がたつにつれて、それがいよいよがっちりとなって行くように、誰の眼にも見えたのである。
ただ、権田原先生だけは正木や本田といつも連絡があり、また徹太郎とも知合いで、いろんな機会に次郎の話をすることであったせいか、次郎の表面だけを見て、安心してはいなかった。そして、例の猪首を窮屈そうに詰襟のうえにそらし、我関せず焉といったふうでいながら、教室では無論のこと、廊下を歩いている時でも、次郎には特別の注意を払っていたのである