Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate

Aozora Bunko

だから、自分のことっきり考えないでいいんなら、五年生のまえで、もっとおとなしくしていたんだよ。」

「じゃあ、どうしておとなしくしていなかったんだい。」

大沢がはたから口を出した。

「だって、五年生は無茶ばかり言うんです。あんなこと言われて、僕、へこんでいたくないんです。」

「癪にさわったんか。それじゃあ、やっぱり自分のためじゃないか。」

次郎はちょっとまごついた。しかし、すぐ、一層力んだ調子で言った。

「ちがいます。新入生みんなのためです。」

「うむ、新入生のために戦うつもりだったんだね。」

次郎は、そう言われて、まだ何か言い足りない様な気がした。そしてちょっと考えてから、

「新入生のためばかりではありません。五年生は、ちっとも校長先生の教えを守ってないです。あんな五年生は、僕、学校のためにならないと思うんです。」

「ようし、わかった。」

と、大沢は、次郎の肩に手をかけて、

「しっかりやってくれ。君は僕たちの仲間だ。しかし、ほんとうの仲間は少いぜ。だから、みんなが一本立ちのつもりでやるより、ないんだ。いいかい。」

次郎は、あっけにとられたような顔をして、大沢を見つめた。