Classici giapponesi con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Leggi 次郎物語 (じろうものがたり) di 下村 湖人 (しもむらこじん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.773 caratteri · 294 schermate
「一人だけ別になるんなら、僕がならなくちゃあ。」
恭一はいつになく吐き出すような調子で言った。
「お前、どうしてそんなことをお言いだい。お祖母さんといっしょのお部屋に寝るのが、いやにでもなったのかい。」
「ううん、そんなことありません。だって、次郎ちゃんより僕の方が年上なんだもの。」
「まあ、まあ、急にお兄さんにおなりだこと。」
と、お祖母さんは、冗談のように言って笑ったが、すぐまた真顔になって、
「そりゃあね、恭一、年ではお前の方が兄さんにちがいないともさ。だけど、何もかも兄さんだと思ったら大間違いだよ。次郎には、そりゃあお前たちの思いもよらない悪智恵があるんだからね。いつかも、ほら、お前、うまいこと万年筆を捲きあげられたんだろう。うっかりあれの手にのって、二人っきりで二階に寝たりしていると、ろくなことはないよ。」
「お祖母さん――」
と、恭一はもう泣きそうな顔になって、
「万年筆は次郎ちゃんにねだられたんじゃないんです。僕、いらないからやったんです。二階に寝るのだって、僕の方から言い出したんです。次郎ちゃんはかわいそうです。ずるくなんかないんです。お祖母さんは、どうして次郎ちゃんがそんなにきらいですか。