Classici giapponesi con furigana
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うたのうるおい
歌の潤い
伊藤 左千夫
Leggi 歌の潤い (うたのうるおい) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4665 caratteri · 10 schermate
そういう心的状態で歌の出来ることは、何人にもあることであろうと思う。されば自分の歌としてその存在を欲して居ても、自分の好きな歌ではない。ある意味に於て、予の最も強く主張する叫びの意味の多い歌であるが、予の好みはその叫びの声が今少し潤いを帯びてありたいのである。
表現の具象が余りに鮮明な歌には、必ず潤いを欠くの弊が伴うのを常とする。自分の好まない歌をなぜ作るかと云う者があるかも知れないが、自分の感想は自分の好きなように許り有得ないから、これは余義ないのである。
刺身と焼肉、それを予は決して嫌ではない。けれども刺身と焼肉が何より美味いという人には、到底真の料理を語ることは出来ない如く、芸術の潤いを感取し得ないような人に詩趣を語ることは出来ないと思ってる。
それに就ても、近頃の『アラヽギ』で予の最も※(「口+喜」、第3水準1-15-18)しいのは石原純君の歌である。一月号の『思ひ出』の作も極めて平淡な抒情の内に深い味いのある歌であったが、二月号の『独都より』の作はまた一層面白い歌である。
そういうては失敬であるが、今度の歌は従来の石原君の歌とは頗る趣を異にして居る。