Classici giapponesi con furigana
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うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Leggi 歌行灯 (うたあんどん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.094 caratteri · 72 schermate
とあるのを見て、略儀ながら、車の上から、帽子を脱いでお辞儀をして来た。が、町が狭いので、向う側の茶店の新姐に、この小兀を見せるのが辛かったよ。」
と燈に向けて、てらりと光らす。
「ほほ、ほほ。」
「あはは。」
で捻平も打笑うと、……この機会に誘われたか、――先刻二人が着いた頃には、三味線太鼓で、トトン、ジャカジャカじゃじゃじゃんと沸返るばかりだった――ちょうど八ツ橋形に歩行板が架って、土間を隔てた隣の座敷に、およそ十四五人の同勢で、女交りに騒いだのが、今しがた按摩が影を見せた時分から、大河の汐に引かれたらしく、ひとしきり人気勢が、遠くへ裾拡がりに茫と退いて、寂とした。ただだだっ広い中を、猿が鳴きながら走廻るように、キャキャとする雛妓の甲走った声が聞えて、重く、ずっしりと、覆かぶさる風に、何を話すともなく多人数の物音のしていたのが、この時、洞穴から風が抜けたように哄と動揺めく。
女中も笑い引きに、すっと立つ。
「いや、この方は陰々としている。」
「その方が無事で可いの。」
と捻平は火桶の上へ脊くぐまって、そこへ投出した膝栗毛を差覗き、
「しかし思いつきじゃ、私はどうもこの寝つきが悪いで、今夜は一つ枕許の行燈で読んでみましょう。