Classici giapponesi con furigana
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うたあんどん
歌行灯
泉 鏡花
Leggi 歌行灯 (うたあんどん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.094 caratteri · 72 schermate
」
と激しい声して、片膝を屹と立て、
「殺す気で蒐れ。こっちは覚悟だ、さあ。ときに女房さん、袖摺り合うのも他生の縁ッさ。旅空掛けてこうしたお世話を受けるのも前の世の何かだろう、何んだか、おなごりが惜いんです。掴殺されりゃそれきりだ、も一つ憚りだがついでおくれ、別れの杯になろうも知れん。」
と雫を切って、ついと出すと、他愛なさもあんまりな、目の色の変りよう、眦も屹となったれば、女房は気を打たれ、黙然でただ目をる。
「さあ按摩さん。」
「ええ、」
「女房さん酌いどくれよ!」
「はあ、」と酌をする手がちと震えた。
この茶碗を、一息に仰ぎ干すと、按摩が手を掛けたのと一緒であった。
がたがたと身震いしたが、面は幸に紅潮して、
「ああ、腸へ沁透る!」
「何かその、何事か存じませぬが、按摩は大丈夫でござります。」と、これもおどつく。
「まず、」
と突張った手をぐたりと緩めて、
「生命に別条は無さそうだ、しかし、しかし応える。」
とがっくり俯向いたのが、ふらふらした。
「月は寒し、炎のようなその指が、火水となって骨に響く。胸は冷い、耳は熱い。肉は燃える、血は冷える。あっ、」と言って、両手を落した。