Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

うたあんどん

歌行灯

泉 鏡花

Leggi 歌行灯 (うたあんどん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.094 caratteri · 72 schermate

Aozora Bunko

この湊屋の門口で、爽に調子を合わした。……その声、白き虹のごとく、衝と来て、お三重の姿に射した。

「(喜多八)……さるにてもこのままに別れ果なんかなしさよと、涙ぐみて立ちしが……」

「やあ、大事な処、倒れるな。」

と源三郎すっと座を立ち、よろめく三重の背を支えた、老の腕に女浪の袖、この後見の大磐石に、みるの緑の黒髪かけて、颯と翳すや舞扇は、銀地に、その、雲も恋人の影も立添う、光を放って、灯を白めて舞うのである。

舞いも舞うた、謡いも謡う。はた雪叟が自得の秘曲に、桑名の海も、トトと大鼓の拍子を添え、川浪近くタタと鳴って、太鼓の響に汀を打てば、多度山の霜の頂、月の御在所ヶ嶽の影、鎌ヶ嶽、冠ヶ嶽も冠着て、客座に並ぶ気勢あり。

小夜更けぬ。町凍てぬ。どことしもなく虚空に笛の聞えた時、恩地喜多八はただ一人、湊屋の軒の蔭に、姿蒼く、影を濃く立って謡うと、月が棟高く廂を照らして、渠の面に、扇のような光を投げた。舞の扇と、うら表に、そこでぴたりと合うのである。

「(喜多八)……また思切って手を合せ、南無や志渡寺の観音薩の力をあわせてたびたまえとて、大悲の利剣を額にあて、竜宮に飛び入れば、左右へはっとぞ退いたりける、」