Classici giapponesi con furigana
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しょうごのさつじん
正午の殺人
Leggi 正午の殺人 (しょうごのさつじん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.888 caratteri · 28 schermate
「安川さんがお見えよ」
アケミは寝室の扉をあけて大声で怒鳴ってバタンとしめた。すると、
「アケミ! アケミ!」
神田が室内から大声でよんだ。アケミはうるさそうに、扉から顔だけ差しこんで、
「なアに?」
神田が何かクドクドと云った。アケミは扉をしめて文作のところへ戻ってきて、
「男ッて、横暴ね」
「どうしてですか」
「美人を隣室へ呼びこんどいて、お前、ちょッと散歩してこいだって」
「先生なら大丈夫ですよ」
「なにが先生ならなのよ。日本一の助平よ、あの先生は」
「フーン」
「何がフーンさ。さ、出ましょうよ。不潔だわ、ここの空気。淫風うずまいてるわね」
アケミは文作の手をとるようにして、外へでた。まさに、そのとき、正午のサイレンが鳴るのをきいた。
「私も一しょに銀座へ遊びに行こうかな」
「僕はまッすぐ銀座へでるんじゃないんですよ。これから挿絵の先生のところをまわって、それからです」
丘を降りる途中、書生の木曾英介が荷物を自転車につんで登ってくるのに出会った。マーケットへ買い出しにでたのである。
「お居間に安川さんが見えてらッしゃるんですから、奥へ行かない方がよくッてよ」
アケミは木曾に注意を与えた。