Classici giapponesi con furigana
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せいぎ
正義
浜尾 四郎
Leggi 正義 (せいぎ) di 浜尾 四郎 (はまおしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.327 caratteri · 43 schermate
まさか彼が殺したとは疑われはしまい。けれど、子爵が彼にこんな大金をそっくり今くれたという事を誰が証明してくれるか。彼は考えた。もし、彼がもらった事を主張すれば、役人たちはそれを信じないのみならず、却って死因までを疑いはしまいか。慾をすてれば何でもない。黙って札束をつきもどしておいて人をよべばいいのである。けれども金はのどから手が出る程ほしい。のみならず、この場合、仮令証人は居なくとも正当に自分の権利に属している自分の金なのだ。
彼は迷った。迷った結果、愚かにもそのまま黙って自分の室にしりぞいてしまったのだった。
思えば子爵も罪作りさね。ほんとに森木にあれをやるだけの好意をもってるなら、何とか一片の遺書を残しておいてやればよかったのさ。あれでは若いあの男を疑わせるようなものだからね。
一晩中悶々として森木はとこの中で弁解の方法を考えたが結局いい考えは出なかったわけなのだ。そしてやはりこわいもの見たさで、とうとう自分で子爵の室まで行って見てはじめて翌朝発見したふりをして皆をよび立てたんだ。だから彼の申立にあやしい所のあるのは無理もない。従って又警察で疑われてもやむを得ないのだ。