Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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したいろうそく

死体蝋燭

小酒井 不木

Leggi 死体蝋燭 (したいろうそく) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4917 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

そうしてしまいには、人間の脂肪の焼ける匂いを一日でも嗅がぬ日があると、なんだかこう胸の中が掻きむしりたくなるような、いらいらした気持になって、じっとして坐っていることすらできなくなったのだ。あさましいことだと思っても、どうにも致し方がない。魚を焼いても、牛肉を焼いても、その匂いは決してわしを満足させてくれぬ。あの、したまがりの花の毒々しい色を思わせるような人肉の焼けるにおいは、とても、ほかのにおいでは真似ができぬ。

お前は、わしがこのあいだ貸してやった雨月物語の青頭巾の話を覚えているだろう。童児に恋をした坊主が、童児に死なれて悲しさのあまり、その肉を食い尽くし、それからそれに味を覚えて、後には里の人々を殺しに出たというあの話を。わしは、ちょうど、あのとおりに人界の鬼となったのだ。そうして、とうとう、そのために、良順を殺すようなことになったのだ。

良順がしばらく病気をしたのを幸いに、わしはひそかに毒をあたえて、首尾よく彼を殺してしまった。まさか、わしが殺したとは誰も思わないから、ちっとも疑われずに葬式を出した。しかし、彼が焼かれる前に、彼の肉は、ことごとく、わしのために切りとられたのだ。