Classici giapponesi con furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Leggi 残されたる江戸 (のこされたるえど) di 柴田 流星 (しばたりゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.677 caratteri · 80 schermate
七重八重花羞かしき乙女の風流をも解し得ざった昔の御大将はともあれ、今の都人士にその雅懐を同じゅうしてこの花をここに訪ぬるは知らず幾人であろう。宵越しの銭を使わぬ江戸ッ児が黄金色の花を愛するなど柄にないことと罵りたもう前に、一度は行きて賞したまえや。
節句
五節句の中で、今も行わるるは桃の節句、菖蒲の節句である。
桃の節句は女の子の祝うものだけに、煎米、煎豆、菱餅。白酒の酔いにほんのりと色ざした、眼元、口元、豊よかな頬にまで花の妍やかさを見せたる、やがての春も偲ばるるものである。
さて雛壇には内裏雛、五人囃、官女のたぐい賑やかに、人形天皇の御宇の盛りいともめでたく、女は生れてそもそもの弥生からかくして家を形づくること学ぶなるべし。
菖蒲の節句は男の節句、矢車のカラカラと高笑いする空に真鯉、緋鯉、吹流しの翻るも勇ましく、神功皇后、武内大臣の立幟、中にも鍾馗の剣を提げて天の一方を望めるは如何にも男らしい。――五月の鯉の吹流し、口ばッかりではらわたはなしなぞ嘲りはするが、彼の大空に嘯くの概は、憚んながら江戸ッ児の本性をあらわして遺憾なきものだ。
ただ恨むらくは頃者内幟の流行打ち続いて見渡す空に矢車の響き賑わず、江戸ッ児の向上心を吾から引っ込み思案にしてしまう人の多いことで、吾儕は寧ろ柏餅も鱈腹喰うべし、※もウン