Classici giapponesi con furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Leggi 残されたる江戸 (のこされたるえど) di 柴田 流星 (しばたりゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.677 caratteri · 80 schermate
と頬張った上で、菖蒲酒の酔いもまわらば、菖蒲太刀とりどりに那辺までも江戸ッ児の元気を失わぬ覚悟が肝要だと思う。
また菖蒲湯というもの、これも残されたる江戸趣味の一つで、無雑作に投げ入れた菖蒲葉の青々とした若やかな匂い、浴しおえて出で来る吾も人も、手拭に残るその香を愛ずれば、湯の気たちのぼる四肢五体より、淡々しく鼻にまつわりこす同じ匂い、かくては骨の髄までも深く深く沁み入ったように覚えて、その爽やかさ心地よさ、東男の血の貴さは、こうして生立つからでもあろうか。
筍めし
名物の筍は目黒の土に育ったのを江戸以来随一としている。その筍を料理っての喰べかた、何々といろいろにお上品なのもありはするが、無雑作でどこまでも江戸ッ児の口にあうは、まず飯に炊いたものである。
近頃は筍めしの一つも、目黒くんだりまで態々食いにゆく人、いとど尠うなりはしたが、かえって電車も汽車も何もなかった以前には、走りを賞美する江戸ッ児の、売りに来たを値切って買って、己が台所で妻婢の手にものさるるを待ってはいず、それと聞くより吾も我もと一日を争い、途の遠きを辞せずしてそれのみに出かけ、今年の筍はどうのこうのと舌の知識を誇りたいが関の山、その余には毛頭謀犯慾望のあって存するなく、考えれば他愛もなく無邪気なことどもである。