Classici giapponesi con furigana
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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
Leggi 母子叙情 (ぼしじょじょう) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 77.355 caratteri · 153 schermate
どんなにか、なつかしさに熱して、母を讃え、母をこの画家夫妻に立派に話しているかも判らない。かの女は身づくろいをしながら、どうかむす子がK・S氏の脳裡に与えているむす子の母の像を、自分は裏切り度くないものだと、しきりに念じた。
傲岸不屈の逸作も、同じようなことを感じているらしく、珍しく自分の方から、かの女の支度を促しに来ながら云った。
「いやになっちゃう。子供が世話になってる人というと、何だか急所を掴まえられているようで、一目置いちまう。人間もから意気地がなくなっちゃう」
K・S氏は思ったより若く、才敏な紳士であった。身なりも穏当な事務家風であった。しかし、神経質に人の気を兼ねて、好意を無にすまいと極度に気遣いするところは、世俗に臆病な芸術家らしいところがあった。若夫人はわきに添って素直に咲く花のように如才なく、微笑を湛えていた。
ホテルから早速案内した銀座の日本料理屋では、畳に切り込んであるオトシに西洋人夫妻と逸作は足を突込み、かの女一人だけ足を後へ曲げて坐って、オトシの上の食台に向っていた。窓からは柳の梢越しに、銀座の宵の人の出盛りが見渡された。