Classici giapponesi con furigana
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どくガスはつめいかん
毒瓦斯発明官
海野 十三
Leggi 毒瓦斯発明官 (どくガスはつめいかん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 9511 caratteri · 20 schermate
「どういたしまして。はい、さようなら」
潜り戸を入った燻精師長のうしろで、ぱたんと扉のしまる音がした。と同時に、博士が扉の向うで、さめざめと啜り泣くような声を聞いたと思ったが……。
4
南国の孤島において、醤委員長は、あいかわらずの裸身で、事務を執っていた。例の太い附け髭はもう見えない。
そこへ燻精が戻ってきた。
「おお帰ってきたか。して、金博士から、すばらしいネタを引き出したか」
「はい、持久性の神経瓦斯……」
「叱ッ。これ、声が高い!」
醤は、手の舞い足の踏むところを知らずといった喜び方であった。彼は、燻精の手をとらんばかりにして、彼を砂地の上に立つ古城へ連れていった。
「さあ、ここが毒瓦斯発明院だ。看板も、余が直々筆をふるって書いておいた」
なるほど、あちこち崩れている城門に、毒瓦斯発明院の立て看板が懸っていた。
「発明場は、すっかり用意をしておいたつもりじゃ。余自ら案内をしよう」
衛兵の敬礼をうけつつ、御両人は城内に入った。
「敵空軍の目をのがれるため、外観は出来るだけ荒れ果てたままにしておいた。しかし、あの煙突だけは、仕方なく建てた」
太い煙突が古城の上にぬっと首をつきだしている。