Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

すいちゅうのきゅうでん

水中の宮殿

野村 胡堂

Leggi 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.533 caratteri · 52 schermate

Aozora Bunko

堤防は切れた――水が物凄い勢いで隧道へ

それは地図を毛彫りにした銅の薄板で、半分緑色に腐食しておりますが、決して読めないことはありません。

「わかったワ」

綾子は急に顔を挙げて、四方を見廻します。

「どうしたの綾子さん」と燿子。

「この銅板の絵図面は、潜水夫が殺された頃から見えなかったんですって。――だから、多分、こうじゃないかと思うの、――この穴の中にまだ水のある頃、潜水夫はこの銅板の絵図面を持ってここへ入って来て、宝庫へ通う秘密の道を探しているうち、空気を送る管を切られて、ここで窒息して死んだんじゃないでしょうか。死体は穴の入口から、縄で引上げられたけれど、銅板は潜水夫が死ぬ時落としたまま、ここに残されてあったんだわ」

綾子の話に、燿子と健一も、思わずゾッとして顔を見合わせました。

「それじゃ入口を塞いだのは?」と燿子。

「きっとお父様よ。水がなくなると人に見つけられるから、それで穴を塞いで東京へ引揚げたんじゃないの」

もう疑う余地もありません。

「それじゃ、その銅板を見て、宝庫へ通ずる秘密の地下道を捜し出そう」

健一は蝋燭を棒から外して、綾子の持っている銅板の上へ持って行きました。この絵図面さえあれば、八百年来の秘密は解けて、藤原家の栄華の形見なる、金銀財宝も手に入り、詐欺師にされて死んだ立花博士の汚名も雪がれるでしょう。