Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Leggi 江戸情話集 (かごつるべ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.779 caratteri · 407 schermate

Aozora Bunko

「兄さま。わたくしが橋場へまいることを、八橋さんへ一筆知らせてやりましょうか」

お光は八橋と文通をしていた。兄の使いで吉原へ行ったこともあった。

「いや、それにも及ぶまい。わたしからそのうちに知らせてやる。廓の者は無考えだから、お前の奉公さきへ返事などをよこされると迷惑だ。まあ止した方がよかろう」

「そうでございますねえ」

お光はおとなしく黙ってしまった。

六

次郎左衛門はその明くる日も、またその明くる日も流連をして帰った。馬喰町の佐野屋の閾をまたいだのは、師走の二十四日の四つ頃(午前十時)で、彼は近所の銭湯へ行って、帰るとすぐに夕方まで高いびきで寝てしまった。

「治六さん。相変らず長逗留だったね」と、佐野屋の亭主が顔をしかめてささやいた。

「どうも仕方がねえ」と、治六もあきらめたように溜め息をついていた。しかしただ諦めてはいられないので、彼は亭主になんとかいい工夫はあるまいかと更に相談した。

「いっそ、その花魁を請け出したらどうだろう」

亭主はしまいにそんなことを言い出した。こういう風にだらしなく金をつかっていたら、千両が二千両でも堪まったものではない。