Classici giapponesi con furigana
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
Leggi 沙漠の古都 (さばくのこと) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.076 caratteri · 220 schermate
どうしてどうして私達に取っては土人の唄や伝説は決して馬鹿には出来ません。第一私の目的が、数千年前に生きていた沙漠の住民の羅布人が国家の滅びるその際に隠匿したという大財宝を、発見しようというのですから既に立派な昔噺式で伝説的でもあるのです。まして今では発見についてのこれぞという手懸かりもないのですからせめて、土人の伝説か俚謡でも、手懸かりの一つにしなかったら取っ付き場所がありません……」
マハラヤナ博士は驚いたようにレザールの顔を眺めたが、
「おお、君はレザール君か!」
「博士ご無事で結構でした」
「君は濠州の方にいる筈だが?」
「さよう、濠州の方にもおりました。ただし只今申し上げたようなああいう事情がありましたので少し前からこのボルネオのサンダカン市に来ていました」
「なるほど」と博士は眉をしかめ、「それじゃ何かね、濠州より先にこのボルネオを探るのかね……僕は少しも知らなかったが」
「絶対の秘密を保つため今まで申し上げないでおりました」
「それじゃ僕らが海賊に襲われてこのボルネオへ避難したのはあまり損でもなかったのだね」
「天の祐けというものでしょう」
三人は愉快そうに哄笑した。