Classici giapponesi con furigana
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
Leggi 沙漠の古都 (さばくのこと) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.076 caratteri · 220 schermate
すると同じ恐怖のために気絶しかかっているダンチョンは、私の手を堅く握りながら怯えた声で叫び出した。
「百匹! 五百匹! 一千匹! ※々めが四方から押し寄せて来る!」
なるほど、そう云えば私達を囲んで、木間や藪の蔭や丘の上から黒雲のように叢がって、蛇のような尻尾を頭の上へピンと押し立てた人猿どもが、私達へジリジリと迫って来た。
緑の森林、澄み切った湖水、絵のように美しいこの世界は、一度に人猿の出現によって恐怖の地獄と変ったのであった。しかし私はどんな事をしても恐ろしい人猿の爪と牙から遁がれなければならないと決心した。とは云えどうして遁がれたものか? 彼らの群へ飛び込んで行って人猿どもと格闘して彼らの群から脱しようか? しかし体量五十貫もある森林の原人と闘かって打ち勝つ希望があるだろうか? そんな希望は絶対にない! それでは湖水へ飛び込んで泳いで対岸へ逃げようか? しかし対岸へ行き着いたところで、その対岸の森林にはやはり人猿が住んでいるだろう! それではどうして遁がれよう? どうしたら逃げることが出来るだろう?
一瞬の時間も無駄にせず私はここまで考えて来た。