Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かわあかり

河明り

岡本 かの子

Leggi 河明り (かわあかり) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.244 caratteri · 98 schermate

Aozora Bunko

ここまで煩わされた以上、もう仕事のために河沿いの家を選んだことは無駄にしても、兎に角、この擾された気持ちを澄ますまで、私はあの河沿いの家に取付いていなければならない。

河沿いの家で出来たことは、河沿いの家できれいに仕末して去り度い。

そう思って来ると、口惜しさを晴らす意地のようなものが起って来て、私は炬燵の布団から頬を離して立ち上った。

「河沿いの仕事部屋へ雪見に行くわ」

叔母は自分の意見を採用しながら、まだ、痩我慢に態のよいことを云ってると見て取り、得意の微笑を泛べながら、

「ええええ、雪見にでも、何でも好いから、いらっしゃいとも」と云って、いそいそと土産ものと車を用意して呉れた。

昨日の礼に店先へ交魚の盤台を届けて、よろしくと云うと、居合せた店員が、

「大旦那は咋夕からお臥りで、それからお嬢さんもご病気で」と挨拶した。私は、「おや」と思いながら、さっさと自分の河沿いの室へ入った。

いつもの通り、やまが火鉢の火種を持って来た。

「お嬢さんお風邪……」と私は訊いて見た。

やまは、「ええ、いえ、あの、ちょっとご病気でございます」と云って、訊ねられるのを好まぬように素早く去った。