Classici giapponesi con furigana
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かっぱ
河童
Leggi 河童 (かっぱ) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.576 caratteri · 75 schermate
十
僕はこういう顔を見ると、いつかこの硝子会社の社長を憎んでいたことに気づきました。が、ゲエルはもう今では大資本家でもなんでもないただの河童になって立っているのです。僕は花瓶の中の冬薔薇の花を抜き、ゲエルの手へ渡しました。
「しかし火事は消えたといっても、奥さんはさぞお驚きでしょう。さあ、これを持ってお帰りなさい。」
「ありがとう。」
ゲエルは僕の手を握りました。それから急ににやりと笑い、小声にこう僕に話しかけました。
「隣はわたしの家作ですからね。火災保険の金だけはとれるのですよ。」
僕はこの時のゲエルの微笑を――軽蔑することもできなければ、憎悪することもできないゲエルの微笑をいまだにありありと覚えています。
十
「どうしたね? きょうはまた妙にふさいでいるじゃないか?」
その火事のあった翌日です。僕は巻煙草をくわえながら、僕の客間の椅子に腰をおろした学生のラップにこう言いました。実際またラップは右の脚の上へ左の脚をのせたまま、腐った嘴も見えないほど、ぼんやり床の上ばかり見ていたのです。
「ラップ君、どうしたね。」と言えば、
「いや、なに、つまらないことなのですよ。