Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なきむしこぞう

泣虫小僧

林 芙美子

Leggi 泣虫小僧 (なきむしこぞう) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.906 caratteri · 70 schermate

Aozora Bunko

「あの青い袋のお金で買うの?」

「余計なことをいわンでもいいよ。叔父さんがちゃんと明日は持って行くンだから……」

伸一郎は蜂の腹のようなだんだらの襯衣を買ってもらった。

「さア、伸公、ずいずいずっころばしを唄って帰ろうや」

啓吉達が勇んで路地の中へ帰って行くと、寛子は開けっぱなしの玄関に立っていて、気味の悪い程な機嫌のいい顔でニコニコ笑ってつっ立っていた。

「貴方!」

「何だッ」

勘三は故意に強い顔をして見せた。

「貴方ッ、三百円三百円……三百円よ」

「何のことだ、周章てくさって、ええ?」

「懸賞が当ったのよ」

「ホウ……どこだい?」

「まア、呑気だ。そんなに方々心当りがあるの?」

「余計なことをいいなさんな。亭主を何時も莫迦にばかりしているから亭主だって、方々へ心当りをつけとくンさ……」

勘三は寛子から手紙を受取ると、そそくさと二階へ上り、すぐに支度をして降りて来た。

「また、昨夜みたいに、へべれけになって帰っちゃ困りますよ。いい? 家賃だって今月は少しかためて払わないじゃ、追っ払われそうだし、判りましたか?」

「あああだ、君の顔をみると、家賃の請求書に見えて仕方がないよ。