Classici giapponesi con furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Leggi 泣虫小僧 (なきむしこぞう) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.906 caratteri · 70 schermate
王にはゴリネル、リガン、コルデリヤという三人娘があった……」
と、自慢そうに朗読を始めた。すると、副級長の饗庭芳子が、
「ああら違うわよッ、ゴリネルじゃないでしょ? ゴネリルにリガンにコーデリヤでしょ。田口さんは早口だから駄目だわ」
「へッ! だ。生意気いってらア、ゴリネルだっていいんだよだ。早く読んじまえば判りゃしないさ……」
「まア、憎らしい、私、違いますって、松本先生に申しあげるからいいわ……」
「女の癖に何だい! 生意気な、白目の大将が好きなンだろう」
「しどいわねえ、ええいいわよ! いいわよオだ……何ですかねえ?」
啓吉は美しい副級長に覗きこまれると、とまどいした鳩みたいに目をぱちくりさせた。
あっちこっちの机が段々賑やかになって来て、各々音読を始め出したが、田口七郎兵衛は復習が積んでいるのか白雲頭を振り立てて大きい声を振りあげて読んだ。
「……怒りと失望と後悔とに身も魂もくだけ果てた王は、我にもあらず荒野の末にさまよい出た。その夜は風雨にともなって雷鳴電光ものすさまじい夜であったッ……」
「何? ちょっと、自慢そうに、声だけたててンのよ。意味なンかわかりゃしないのよ、このひと……」