Classici giapponesi con furigana
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ようとう
洋灯
横光 利一
Leggi 洋灯 (ようとう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3869 caratteri · 8 schermate
それから二度と父はもう私をつれて行ってはくれなかった。
父がまた旅に立ってしばらくしたある日、私は母につれられ隣村へ行った。沢山な人が私のいったその家に集っていて、大皿や鉢に、牛蒡や人参や、鱈や、里芋などの煮つめたものが盛ってある間を、大きな肩の老人が担がれたまま、箱の中へ傾けて入れられるところだった。それが母の父の死の姿だった。また、人の死の姿を私の見たのはそれが初めだった。日が明るかった。そしてその村からの帰りに道路の水溜りのいびつに歪んでいる上を、ぽいッと跳び越した瞬間の、その村の明るい春泥の色を、私は祖父の大きな肩の傾きと一緒に今も覚えている。祖父の死んだこの家は、私の母や伯母の生れた家で、母の妹が養子をとっていたものであった。
伯母の家に半年もいてから、私と母と姉とは汽車に乗り琵琶湖の見える街へ着いた。そこに父は新しく私たちの棲む家を作って待っていてくれた。そこが大津であった。私は初めてここの小学校へ入学した。湖を渡る蒸気船が学校のすぐ横の桟橋から朝夕出ていったり、這入って来たりするたびに、汽笛が鳴った。ここの学校に私は一ヶ月もいると、すぐ同じ街の西の端にある学校へ変った。