Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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りゅうこうさっかのし

流行作家の死

野村 胡堂

Leggi 流行作家の死 (りゅうこうさっかのし) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.876 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

「勇、電話だよ」

と社会部長の千種十次郎が怒鳴ると、

「おッ、今行くぞ、どうせ市内通報員だろう」

「いや、そんなものじゃ無い、早坂勇さんとはっきりお名差しだ」

「月賦の洋服屋にしては少し時刻が遅いね」

無駄を言い乍ら、ストーブの側を離れた早坂勇、部長の廻転椅子の肘掛に腰を下すように、新聞社の編輯局にだけ許されて居る不作法な様子で、千種十次郎の手から受話器をたぐり寄せました。

「――僕は早坂、用事は何んです、何? 何? 小説家の小栗桂三郎が自殺したッ、何時? 今晩、本当か? 君は誰だッ、何? そんな事はどうでも宜いって、――宜くは無いよ、何? 立派な特種だから、手柄にしろって言うのかい、そいつは有難いが、君の名が判らないと困るなあ、――あ、一寸待った、切っちゃいけない、切っちゃ――あ、到頭切りゃあがった」

受話器を放り出した足の勇の顔は、獲物を見付けた猟犬のような緊張に輝いて居りました。

「勇、小栗桂三郎が自殺したって? 本当かいそれは?」

とニュース敏感症に罹ったような、千種十次郎が顔を持って来ます。

「本当にも何にもお聴きの通りだ、もう少し手繰ろうと思うと、いきなり電話を叩き切りゃあがった」