Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

Leggi 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.009 caratteri · 249 schermate

Aozora Bunko

大辻は、ふだんから赤い顔を一層赤くしながら、いまにも泣き出しそうである。

「わ、私がしゃべらないといけませんか」

「あたりまえだ」

長谷部大尉は一喝した。

「杉田の脱艦について要領よく、ありのままにしゃべれ、村の鎮守さまの方は、あとから俺があやまってやる」

「うへっ、――」と大辻は眼を白黒させ、

「――では申し上げますが、杉田はいま申しましたとおり、午前十時二十分、艦側から海中にとびこんだのであります」

「ふむ――それから」

「杉田は水中深くもぐりこみました。彼はもと鮑とりを業としていたので、なかなかうまいのであります。かれこれ三分ほどももぐっていたでありましょうか、やがて彼はしずかに海面に顔だけを出して、泳ぎだしました」

「ばかに話がくわしいが、一体それはどうして分かった」

「それは――それはつまり見張人が見張っていたのであります」

「なに、見張人? 誰がそんな脱艦を見張っていたのか。――ははあ、貴様だな」

長谷部大尉は、かっと両眼をむいて大辻を睨みつけた。

「……」

大辻はそれに対して返事ができなかった。ただ両眼から、豆のような大粒の涙を、ぽろんぽろんと落しはじめた。