Classici giapponesi con furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate
第十六回
「全くそんな気で申した訳じゃア有りませんが……お、お、思違いをして……つい……失礼を申しました……」
こう云われては、さすがのお政ももう噛付きようが無いと見えて、無言で少選文三を睨めるように視ていたが、やがて、
「ああ厭だ厭だ」と顔を皺めて、「こんな厭な思いをするも皆彼奴のお蔭だ。どれ」と起ち上ッて、「往ッて土性骨を打挫いてやりましょう」
お政は坐舗を出てしまッた。
お政が坐舗を出るや否や、文三は今までの溜涙を一時にはらはらと落した。ただそのまま、さしうつむいたままで、良久らくの間、起ちも上がらず、身動きもせず、黙念として坐ッていた。が、そのうちにお鍋が帰ッて来たので、文三も、余義なく、うつむいたままで、力無さそうに起ち上り、悄々我部屋へ戻ろうとして梯子段の下まで来ると、お勢の部屋で、さも意地張ッた声で、
「私ゃアもう家に居るのは厭だ厭だ」
第十六回
あれほどまでにお勢母子の者に辱められても、文三はまだ園田の家を去る気になれない。但だ、そのかわり、火の消えたように、鎮まッてしまい、いとど無口が一層口を開かなくなッて、呼んでも捗々しく返答をもしない。