Classici giapponesi con furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate
苟めにも人を愛するというからには、必ず先ず互いに天性気質を知りあわねばならぬ。けれども、お勢は初より文三の人と為りを知ッていねば、よし多少文三に心を動かした如き形迹が有ばとて、それは真に心を動かしていたではなく、只ほんの一時感染れていたので有ッたろう。
感受の力の勝つ者は誰しも同じ事ながら、お勢は眼前に移り行く事や物やのうち少しでも新奇な物が有れば、眼早くそれを視て取ッて、直ちに心に思い染める。けれども、惜しいかな、殆ど見たままで、別に烹煉を加うるということをせずに、無造作にその物その事の見解を作ッてしまうから、自ら真相を看破めるというには至らずして、動もすれば浅膚の見に陥いる。それゆえ、その物に感染れて、眼色を変えて、狂い騒ぐ時を見れば、如何にも熱心そうに見えるものの、固より一時の浮想ゆえ、まだ真味を味わぬうちに、早くも熱が冷めて、厭気になッて惜し気もなく打棄ててしまう。感染れる事の早い代りに、飽きる事も早く、得る事に熱心な代りに、既に得た物を失うことには無頓着。書物を買うにしても、そうで、買いたいとなると、矢も楯もなく買いたがるが、買ッてしまえば、余り読みもしない。