Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate

Aozora Bunko

文三はうな垂れた頸を振揚げて

「エ、貴嬢にも有りますと」

「ハア有りますワ」

「誰……誰れが」

「人じゃアないの、アノ真理」

「真理」

ト文三は慄然と胴震をして唇を喰いしめたまま暫らく無言、稍あッて俄に喟然として歎息して、

「アア、貴嬢は清浄なものだ潔白なものだ……親より大切なものは真理……アア潔白なものだ……しかし感情という者は実に妙なものだナ、人を愚にしたり、人を泣かせたり笑わせたり、人をあえだり揉だりして玩弄する。玩弄されると薄々気が附きながらそれを制することが出来ない。アア自分ながら……」

ト些し考えて、稍ありて熱気となり、

「ダガ思い切れない……どう有ッても思い切れない……お勢さん、貴嬢は御自分が潔白だからこんな事を言ッてもお解りがないかも知れんが、私には真理よりか……真理よりか大切な者があります。去年の暮から全半歳、その者の為めに感情を支配せられて、寐ても寤めても忘らればこそ、死ぬより辛いおもいをしていても、先では毫しも汲んでくれない。寧ろ強顔なくされたならば、また思い切りようも有ろうけれども……」

ト些し声をかすませて、

「なまじい力におもうの親友だのといわれて見れば私は……どうも……どう有ッても思い……」